江戸時代からの名残!身分と土地利用の深い関係
皆さまは、どうして高級住宅地が山の上や坂の途中にあることが多いのか、疑問に思ったことはありませんか?
私は先日玉川学園の住宅地に用があり行ったときにふと疑問に思ったのです。
実はこれ、昔からの日本の歴史と、その土地ならではの地理的な理由が複雑に絡み合っているからなんです。
江戸時代を思い出してみましょう。当時は、身分によって住む場所がある程度決められていました。武士の方々は、水害のリスクが低く、見晴らしも良い高台に立派な屋敷を構えることが多かったんです。これは、いざという時の防御のためでもあり、また、権威を象徴する意味合いも持っていたと言われています。一方、町人や農民の方々は、どうしても低地に住むことが多かったようですね。
明治維新後、そんな武士の屋敷跡地が、お金持ちの華族や政府のお偉いさん、そして財を成した実業家の方々の手に渡り、そのまま高級住宅地として発展していったケースが多く見られます。西洋文化が入ってきたこともあり、高台の住みやすさや素晴らしい眺めが改めて評価されたんですね。今でも、昔は大名屋敷だった場所が、広々とした邸宅が並ぶ高級住宅街になっているなんて話も珍しくありません。区画が大きく、緑も豊かなので、大きな家を建てるにはもってこいだったわけです。
高台がもたらす快適な暮らしとステータス
では、地理的な要因としてはどんなメリットがあったのでしょうか?
一番に挙げられるのは、やはり水害のリスクが低いことです。昔から、洪水や浸水の心配が少ない高台は、安心して暮らせる場所として選ばれてきました。
そして、周りに遮るものがないので、日当たりや風通しが良いのも高台の魅力です。特に夏は風がよく通り、冬は日差しがたっぷり入ることで、とても快適に過ごせるんです。高台から見下ろす街の景色は、まさに絶景。これが住む人のステータスシンボルにもなったわけですね。
また、一般的に高台の台地は地盤が比較的安定していると言われています。もちろん、造成地や斜面地では注意が必要ですが、安心感があるのは大きいですね。さらに、周りからの視線が届きにくいため、プライバシーが確保しやすいという利点もあります。都心にありながらも、喧騒から離れて静かに暮らせる環境が得やすいのも、高台ならではのメリットと言えるでしょう。
新しい時代の都市開発と「ブランド」の誕生
大正時代以降になると、民間企業が計画的に開発した郊外の住宅地にも、高台が選ばれることが増えました。例えば、あの有名な田園調布なども、良好な住環境と景観を重視して高台に造られた代表的な例です。「〇〇が丘」や「〇〇台」といった地名は、高台の持つ良いイメージを活かして名付けられることが多く、これが高級住宅街としてのブランドイメージを作り上げるのに一役買っているんです。
知っておきたい高台のデメリット
もちろん、高台の土地には良いことばかりではありません。いくつか注意点もありますので、ご紹介しておきましょう。
まず、日々の生活で坂道の上り下りが負担になることがあります。特にご高齢の方にとっては、大きな問題になるかもしれません。場所によっては、最寄りの駅やお店から遠く、交通の便があまり良くないケースもあります。
そして、傾斜地である以上、大雨の時に土砂災害のリスクが全くないわけではありません。もし高台の土地を検討される際は、地盤の状況やどのように造成されているのかをしっかりと確認することが大切です。平坦な土地と比べて、家を建てる際に擁壁を作る必要があったりして、建築コストが高くなる場合もあります。
このように、高台が高級住宅地として選ばれるのは、昔からの歴史的な背景と、水害リスクの低減、良好な日当たりや眺望といった地理的なメリットが複合的に作用しているからなんですね。
